志賀直哉はじめ多くの文人に愛された名湯・城崎温泉。
兵庫県内の温泉といえば神戸の有馬温泉も有名ですが、日本海側の城崎温泉も負けず劣らず風情があって人気。
温泉街は城崎温泉駅から徒歩すぐなのでJRで行ってみましょう。
駅前にはさっそく、七つある外湯の一つ「さとの湯」。
もちろん気軽に入っていいのですが、まだ重い荷物もいっぱいあるし、ここは玄関横の足湯(無料)につかって、これから始まる外湯めぐりに思いを巡らせましょう。
ランチは軽めに
宿まで歩く間、ランチはあれこれ目移り。
カニ? 但馬牛? それもいいですが、夜の宿の料理を忘れていませんか?
きっと夜はカニが出ますよ、但馬牛も出ますよ、ということで軽いランチがオススメ。
「地ビールレストラン グビガブ」で、自家燻製盛り合せと地ビールの組み合せなんていかがですか?
「地ビールレストラン グビガブ」公式サイトより引用
町全体が一つの宿
さてお腹が満たされたらさっそく温泉を楽しまねば。
外湯が七つあると書きましたが、これこそ城崎温泉の最大の特徴でもあります。
城崎では「町全体が一つの宿」というコンセプトが徹底していて、駅は玄関、道は廊下、旅館は客室、土産屋は売店、飲食店は食事処、外湯は大浴場というわけ。
宿に入ったら誰しも荷物を置いて、浴衣に着替えてリラックスしますよね。
城崎では駅に下りたった瞬間からもう宿の中ですから、浴衣に着替えて外湯を楽しみ、土産物屋に立ち寄って…と町全体を楽しむのが城崎流です。
心の宿「三國屋」
今日の宿は「三國屋」。
地元の食材にこだわった夕食が人気の宿です。
重い荷物から解放されたら、さっそく浴衣に着替えて外湯巡りに出かけましょう。
宿泊客は、デジタル外湯券「ゆめぱ」でチェックアウトまで外湯はどれだけ入っても無料。
女性には嬉しい色浴衣の貸出サービスまであります。
その数、なんと常時50種類!
きのさき温泉観光協会公式サイトより引用
旅行紙が実施するアンケート「浴衣が似合う温泉地」でたびたび日本一に選出される城崎温泉だから、訪れたら男女ともにやっぱり浴衣でそぞろ歩きを楽しみたいもの。
浴衣なんて着たことないから着られない? 着崩れするのが怖い? たしかに外湯に入るたび着直すことになるから面倒ですね…
いいえ、城崎には「ゆかたご意見番」が30か所も設置されていて、浴衣の困りごとは一発解決!
安心して浴衣のそぞろ歩きを楽しみましょう。
七つの外湯
七つの外湯は、泉源は同じですが、それぞれに趣向を凝らした造りになっていて、まったく違った雰囲気を楽しめるので、ぜひとも制覇したいところ。
まんだら湯
露天桶風呂や気泡風呂が自慢。寺院風の屋根や外観も個性的。(15~23時・水曜休)
御所の湯
全面露天風呂から見える山の緑と滝の景色が魅力。(7~23時・木曜休)
一の湯
趣のある洞窟風呂が自慢。温泉街の中心にある象徴的存在。(7~23時・水曜休)
柳湯
湯船が深く、昔ながらの浴室が好きな方に一押し。(15~23時・木曜休)
地蔵湯
泉源から地蔵尊が出たのでこの名。(7~23時・金曜休)
鴻の湯
1400年前、コウノトリが足の傷を癒して発見された伝説の湯。(7~23時・火曜休)
きのさき温泉観光協会公式サイトより引用
さとの湯
駅すぐ隣にある日本最大の駅舎温泉。城崎到着時、足湯を楽しみましたね。(13~21時・月曜休)
きのさき温泉観光協会公式サイトより引用
営業時間や定休日はまちまちで、七つ全部に入れるのは土日の15時~21時。
水曜と木曜は五つしか入れないので、別の曜日がよいでしょう。
朝風呂のない「まんだら湯」「柳湯」「さとの湯」は着いた日のうちにぜひ。
お待ちかねの土地の味
いったん宿に帰って夕食を。
温泉宿の料理は期待以外の何ものでもありません。
松葉ガニ、但馬牛…ほらね、ランチ軽めにしておいてよかった!
「三國屋」の心のこもった土地の味に包まれて夜は更けていきます。
ついついお酒も進みがちですが、23時まで外湯巡りは続くので、飲み過ぎ注意です。
自然の造形美「玄武洞」
翌朝。
夜とはまた打って変わって開放感に包まれた朝湯はやっぱりたまりません。
宿に帰って地元・但馬産の食材を使った朝食を堪能したら、いよいよ出発。
駅前で自転車をレンタルして、30分ほど心地よい風を切って玄武洞へ。
洞と名がつきますが、160万年前のマグマが冷えて美しい形の岩となったものを江戸時代に採掘した坑道跡です。
自然の造形美にしばし時を忘れて息を呑みます。
きのさき温泉観光協会公式サイトより引用
お土産は「海老のや」へ
駅に戻りがてら、温泉街にある「海老のや」に立ち寄ります。
人気せんべい店の数ある商品の中から、選ぶのはやっぱりご当地のかにみそ・但馬牛のせんべい。
クセになる香ばしさとオシャレなパッケージはお土産に喜ばれます。
「海老のや」公式サイトより引用
駅弁はやっぱり…カニ!
駅弁「城崎温泉お好みかに寿し湯めぐり三種盛り」を買い求め、列車とバスで出石(いずし)に向かいます。
城崎からは1時間ほどですが、列車は10分しか乗らないので、バスで食べましょう。
かにのちらし寿し、カニの細巻き、カニの握り…まさにかに寿司づくしを楽しめます。
製造元「アベ鳥取堂」公式サイトより引用
足を伸ばして、但馬の小京都・出石へ
出石は但馬の小京都と呼ばれる城下町。
出石城や永楽館(近畿最古の芝居小屋)を巡り、江戸から明治にかけての繁栄を偲ぶのもよいもの。
兵庫県公式観光サイトより引用
出石はまた関西随一のそば処。
空いた小腹に、5枚1組の小皿に分けて盛られた名物・皿そばをいただき、この旅を締めくくるといたしましょう。